Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
てらまち
寺町
岩本 素白
Lesen Sie 寺町 (てらまち) von 岩本 素白 (いわもとそはく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.263 Zeichen · 5 Bildschirme
そういう低みにはきっと小さな寺があって、その門前には御府内八十八箇所第何番という小さな石が立って居るのである。その又寺の裏には更に細い横丁があって、それを曲って見ると、すぐ後ろは高台で、その下が些かの藪畳になって居る。垣根とも樹だちともつかぬ若葉の樹の隙から、庵室めいた荒れた建物が見え、墓地らしい処も有るので、覗き込んで見ると其の小家の中には、鈍い金色を放つ仏像の見えることもある。そうかと思うと、古い門だけが上の町に立って居て、そこから直ぐ狭い石段が谷深く続き、その底に小さな本堂の立って居るような寺もある。初夏の頃は、その本堂が半ば若葉に埋もれて、更に奥深く静かな趣を見せて居る。
そういう町を、五月の晴れた朝ぶら/\歩いて居ると、その低い谷底の本堂の前に、粗末な一挺の葬い駕籠が着いて居る。門前に足を止めて見下ろすと、勿論会葬者などの群れは無くて、ただその駕籠を舁いで来たらしい二三の人足の影が見えるばかりである。東京では、このごろ駕籠の葬式というものは殆ど見掛けなくなって居る。駕籠の中の棺の上に、白無垢や浅黄無垢を懸け、ほんの僅かの人々に送られて、静かに山の手の寺町を行く葬式を見るばかり寂しいものはないが、これこそ真に死というものの、寂しさ静けさを見る気持がして、色々の意味から余りに華やかになり過ぎた今