Japanische Klassiker mit Furigana
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じんじょういちよう
尋常一様
北大路 魯山人
Lesen Sie 尋常一様 (じんじょういちよう) von 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 1.562 Zeichen · 4 Bildschirme
ある日、友人の紹介で人が来た。客は、わたしをつかまえてさっそく質問を発した。
「先生、料理の根本義についておきかせください」
そこで、わたしは言下に答えた。
「食うために作ることだ」
客は物足りぬ顔をしながらまたきいた。
「食うために作ることですか、先生。そんなら、なんのために食うのですか」
「そりゃ生きるためにだ」
「なんのために生きるのですか」
「死ぬためにだ」
「まるで先生、禅問答のようですね」
わたしは笑いながらいった。
「君がむずかしいことを聞くからだ。料理の根本義について……なんぞいい出すからだよ。もっと、あたりまえの言葉できけばいいではないか。むずかしい言葉を使わぬと、本当のことや、立派なことがきけないと思うているとみえるね」
客はあわてていった。
「いえ、決して……。では、あたりまえの言葉で伺ったら、先生は本当のことを教えてくださいますか」
「うむ、あたりまえの言葉で聞いたら、あたりまえのことをいってやるよ」
客は、ここでもまたあわてていった。
「あたりまえのことなら、伺いたくないのです。先生、本当のことをききたいのです」
「あたりまえのことが、一番本当のことだよ。