Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちいさきりょうしん
小さき良心
Lesen Sie 小さき良心 (ちいさきりょうしん) von Kajii Motojirō (梶井 基次郎) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.366 Zeichen · 11 Bildschirme
さっきから見つからなくって。ありました、ありました。
なにげないふりをして、自分は扇子屋の前に立止る。そして交番へ目を注ぐ。これは豊国のかいた近江八景の絵です。左様。豊国は有名な浮世絵師です。
活動写真がはねたのか、たくさんの人が通る。酒が臭ってくる、暗い静かな町を通って来た自分にはそれがよくわかる。辻待ちの車夫の溜りで車屋が手をねじ合いしている。又一人の車夫が笑いながらなんとか云っている。当人同志もげらげら笑っている。
そして今度は帽子の奪い合いをしている。
車夫は呑気なものだと思う。皺の寄った顔をして、学生帽のような帽子をかむって。
時計は十時前だ。一時間余りもおびえながら街をあるきまわっていた。何故自分は遠くへ逃げなかったんだろう。ここは京極通りの裏ではないか。自分は酒場で会う約束をしたKと一緒になろうという気が絶えず自分を引っ張っていたのを知った。Kは自分に、喧嘩を避けてどこかで脱けてやって来給え。東京以来の話をしようと云った。この荒まじい気をKは和げてくれる。
あの酒場にはいずれにしてもあの男等はいまい。撲られたままでその酒場にいるとは思えない。