Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちいさきなにも
小さき花にも
豊島 与志雄
Lesen Sie 小さき花にも (ちいさきなにも) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.115 Zeichen · 21 Bildschirme
おかげで私は、先生以外の三人の名前も覚えてしまった。そして辞し去る機会を失った。
そんなことをして騒いでいるところへ、三十すぎの女と、まだ学校出たてらしい若い男が、先生をたずねて来た。二人とも雑誌記者だった。
「君は似てるね。」と先生が言った。
「あら、誰に。」と女は言った。
「あら、誰にか。よかろう。こんどは女言葉といこう。」
そして前の四人で、また始めた。
「あなた似てるわ。」
「あら、誰に。」
「啓子さんによ。」
「あたし啓子よ。」
「まあ、奇遇ね。」
そして賑かな祝杯。
私は呆れた。いったいこれが、新時代の苦悩の代弁者と目される中堅作家の、本当の姿なのであろうか。何かの擬態なのであろうか。私には見当もつかず、呆れて戸惑ってしまった。だが誰も、ふしぎがってる様子はなかった。弘田啓子も、私はすぐにその名前を知ったのだが、また学生上りの若者も、やがて話の元を明かされると、奇遇ねの問答を面白がり、声を揃えて騒ぎだし、まけずに祝杯を干した。お銚子が幾本も並んだ。
「小杉さん。」
ぽつねんとしている私へ、弘田啓子は呼びかけた。
「小杉さん、あんたが種をまいたんじゃないの。