Japanische Klassiker mit Furigana
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ちいさきなにも
小さき花にも
豊島 与志雄
Lesen Sie 小さき花にも (ちいさきなにも) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.115 Zeichen · 21 Bildschirme
」
黙っているのが辛くて、分りきったことを言ったが、そこで、私は真面目になった。
「お父さん、あの銀杏樹の雀ね、うるさいの、それとも楽しいの、どちらなの。雀がすっかりいなくなった方が、およろしいの、それとも、たくさんいた方が、およろしいの。」
「ほう、雀ね。好きかい。」
「好きよ。うるさい時もあるけれど。」
「そうだ、そうだ。」
お父さんは一つ大きく息をしたが、雀のことは要領を得ず、きょとんとしている。私は追求した。
「秋になって、銀杏の葉が散ってしまったら、雀はどうするんでしょうね。」
「同じだよ。」
「やはりあすこに住むのかしら。」
「住むね。」
「そんなら、わたしたち人間も、雀みたいだといいわね。空襲で家が焼けたって、焼け跡に住めばいいし、毎日あくせく働かなくてもいいし、一日中、ピイチクピイチク、鳴いておればいいし、わたし胸が張り裂けるほど鳴いてやるわ。」
半ば自分の気持ちをこめ、半ばお父さんを慰めるつもりで、言ってみたんだけれど、お父さんはもう鼻をつまらしていた。
「わたしが、働けないからね。お前たちにも、苦労をかけて、済まん。」
言ってるうちに、お父さんはもうしくしく泣きだしてしまった。