Japanische Klassiker mit Furigana
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こせがれのつり
小伜の釣り
佐藤 垢石
Lesen Sie 小伜の釣り (こせがれのつり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.702 Zeichen · 4 Bildschirme
私も子供の時、たびたび父に伴われてここで釣った。で、このうぐいは桑の葉の裏に這っている小さな青虫が大好物である。これを、鈎の先につけて釣ると他のどの餌をつけたのより成績がいい。
その朝も、小伜にたくさんの桑の虫を捕らせた。竿と釣り道具も、私と同じようにこしらえてやった。竿は二間のやわらかいもの。道糸には水鳥の白羽を目印につけた脈釣り式である。道糸は竿一杯、鈎素は四寸五分、板鉛の軽い錘をつけてやった。
釣り場へ行って、魚の餌に当たる振舞を、目印につけた鳥の羽の動くようすで眼にきくことを、鈎合わせの呼吸などを説いて聞かせた。そして私と並んで、糸を水の中層に流させたのである。
子供は勘がいい。それに、人の教えをよく守る。十二、三回、糸を波に送り流し、餌を取られるうちに、うぐいが餌に絡まる振舞を呑み込んだらしい。次第に手馴れていくほどに、三度に一度は鈎合わせがきくようになった。もう二、三年も前から、鮒も鯰も釣ったことがあるのであるから、鈎に魚が掛かってもあわてはしない。緩やかに道糸に送りをくれておいて、水から抜き上げる手際は、我が子ながら天っ晴れと感じたのであった。