Japanische Klassiker mit Furigana
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こいずみやくものかていせいかつ
小泉八雲の家庭生活
萩原 朔太郎
Lesen Sie 小泉八雲の家庭生活 (こいずみやくものかていせいかつ) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.379 Zeichen · 33 Bildschirme
夫人はその時のことを追想して、草双紙で読んだ昔物語を、そっくり現実に経験した様だったと言ってる。新婚まもなく若い稚気のぬけなかった夫人は、恐らく恐怖にふるえながらも、人生の最も楽しく忘れ得ない夢を経験したのだ。
ヘルンは常に散歩を好み、学校の帰途などには、まだ知らない町の隅々を徘徊したが、新しい興味の対象を見出すごとに、必ず妻を連れてそこへ再度案内した。『今日私、面白い所見つけました。あなた一所に行きます』と言って、ヘルンが妻を連れ出す所はたいてい多くは寂しい静閑の所であり、寺院の墓地や、邸の空庭や、小高い見晴らしの丘などであった。つまり一口にいえば、今の日本の若い娘たちが、最も退屈を感じて『詰まンないの』というような場所であった。しかし琴、生花、茶道によって教育され、和歌や昔物語によって、物のあわれの風雅を知ってた彼の妻は、良人と共に、その楽しみを別ち味わうことができた。しかしある時、ヘルンが案内して連れ出した所は、暗い闇夜の野道の中に、小高い丘があるばかりで、周囲は一面の稲田であった。何の見る物もなく風情もないので、夫人が怪しんで質問したところ、ヘルンは耳を指して、『お聴きなさい。