Japanische Klassiker mit Furigana
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こいずみやくものかていせいかつ
小泉八雲の家庭生活
萩原 朔太郎
Lesen Sie 小泉八雲の家庭生活 (こいずみやくものかていせいかつ) von 萩原 朔太郎 (はぎわらさくたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.379 Zeichen · 33 Bildschirme
しかしその他の場合では、罪のない笑談を言ったりして、妻や子供の家族を笑わせ、女中までも仲間に入れて、一家団欒の空気を作った。
どこへ旅行する時にも、彼はいつもその妻と同伴した。唯一の例外は、二児を連れて焼津へ行った時だけだった。(その時末の女の児が生れたばかりで、母の手を離れることが出来なかったから。)そうした彼の習慣は、普通に多くの西洋人が、彼等の風習によってするごとき、単なる形式的のものではなかった。『私少シ淋シイ。今アナタノ顔見ナイノハ。マダデスカ。早ク見タイモノデス』という焼津の手紙でも解るように、妻と同伴することなしには、どんな旅行も楽しくないほど、夫人を熱愛していたからだった。まだ子供が出来ない頃、この新婚の若夫婦は、山陰道の辺鄙な島々を旅し歩いた。それは本土との交通がほとんどなく、少数の貧しい漁夫たちが、所々の寂しい山蔭に住んでるような、暗く荒寥とした島嶼であった。人跡絶えた山道には、人力車の通う術もなかったので、二人の若い男女は、互に助け合いながら、蔦葛の這う細道を、幾時間となくさまよい歩いた。そして気味わるく物凄い顔をした、雲助のような男たちに脅やかされたり、黒塚の一軒家のような家に泊って、白髪の恐ろしい老婆に睨まれたりした。