Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ろうじゅうのめがね

小笠原壱岐守

佐々木 味津三

Lesen Sie 小笠原壱岐守 (ろうじゅうのめがね) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.249 Zeichen · 115 Bildschirme

Aozora Bunko

気の毒千万、蜂の巣わんわん、――久方ぶりの酒だから、金丸は酔うたです、こら女! なにか唄え」

「…………」

「唄わんな。ではジャカジャカジャンジャンとなにか弾け」

「…………」

「よう。素的々々、音がきこえ出したぞ。――さあさ、浮いた、浮いた、ジャカジャカジャンじゃ。代りに呑んで、代りに騒いで、殿様、芸者を買うたようなこころもちになろうというんだからのう。おまえらもその気で、もっとジャカジャカやらんといかん! ――そうそう。そこそこ、てけれつてってじゃ。

ここは名古屋の真中で。

ないものづくしを言うたなら。

隊長、病気で女がない。

金丸、ろれつが廻らない。

てけれつてっての、てってって」

興至って、そろそろとはめがはずれ出したのである。

「どうです。隊長! 金丸、いかい酩酊いたしました。踊りますぞ」

ふらふらと金丸が、突然立ちあがったかと思うと、あちらへひょろひょろ、こちらへひょろひょろとよろめいて、踊りとも剣舞ともつかぬ怪しい舞いを初めた。

「ヒュウヒュウ、ピイピイピイ。

当節流行の暗殺節じゃ。

ころも、腕に至り、毛脛が濡れる。

濡れる袂になんじゃらほい。

あれは紀の国、本能寺。