Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょじごく
少女地獄
夢野 久作
Lesen Sie 少女地獄 (しょうじょじごく) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 105.174 Zeichen · 206 Bildschirme
「いやな事ってドンな事ですか」
「……申し上げられません。仕事はトテモ面白かったんですけど……」
「ふうむ。貴女の身元保証人は……」
「あの。下谷で髪結いをしている伯母さんに頼んでおりますの。いけないでしょうか」
「どうして兄さんに頼まないんですか」
「伯母さんの方がズット世間慣れておりますし、今までその家におったもんですから……きょうも、家にジッとしていないでブラブラ町を歩いて御覧、いい仕事があるかも知れないからって、その伯母さんが言いましたもんですから……」
「お名前は……」
「姫草ユリ子と申しますの」
「姫草ユリ子……おいくつ……」
「満十九歳二か月になりますの……使って頂けますか知ら……」
これだけの問答で私等は彼女を採用する決心をしてしまった。私ばかりじゃない。妻も姉も、彼女の無邪気な、鳩のような態度と、澄んだ、清らかな茶色の瞳と、路傍にタタキ付けられて救いを求めている小鳥のような彼女のイジラシイ態度……バスケット一つを提げて職を求めつつ街を彷徨する彼女の健気な、痛々しい運命に、衷心から吸い付けられてしまっていた。
笑え……私等のセンチの安価さを……誰でもこの問答を一読しただけで、彼女の身元について幾多の矛盾した点や不安な点を発見するであろう。