Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme
平中はその夜も本院の大臣の許に伺候して四方山の世間話のお相手をしていたが、彼の外にも五六人の公卿たちが侍っていて、初めのうちは御前が賑かだったのが、追い/\一人減り二人減りして、いつの間にか大臣と彼と二人きりになった。帰り途に目あてのある平中は、自分も好い加減に退り出たいのであったが、時平は彼と差向いになると女の噂を持ち出すのがおきまりで、何か最近に収穫はなかったか、己の前で隠すには及ばぬぞ、と云うような風に切り出すので、彼も心ではそわ/\しながら、ちょっと座を立つしおを失って、それから又ひとしきり、親しい友達同士でなければ交せないような秘話がはずんだ。尤も平中は、近頃侍従の君の一件が大臣の耳に這入っていはしないか、今にそのことを持ち出してチクリとやられるのではあるまいか、と云う不安があるところから、その晩はどうも調子が乗らず、内々警戒していたのであったが、時平は何と思ったか、
「時に、折入ってあなたに聞きたいことがあるんだが、………」
と、俄に上座から席を移して、平中の前へ膝をすり寄せた。
来たな、と思って平中が胸をどきつかせていると、時平はニヤ/\薄笑いを浮かべて、