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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme

Aozora Bunko

「いっそのこと、今暫く酔いをお覚ましなされてからお帰りになることですな」

「いや/\、あまり長座をしては主殿が御迷惑だ」

「何を仰っしゃる! こんなむさくろしい所ですが、お気に召したらいつ迄でも御ゆっくり願いたい!」

いつの間にか国経は時平に体を擦り寄せて坐って、その手を執らんばかりにして口説いていた。

「殿々、愚老はあなたを無理にでもお引き止めしますぞ、帰ろうと仰っしゃっても決してお帰し申しませんぞ」

「ほゝう、長座をしてもよいと云われるか」

「よいどころの段ではござらぬ」

「しかし私をお引き止めになるなら、もそっと何か、特別のおもてなしをなさる必要がありますな。―――」

突然時平の声の調子が変ったので、国経が見ると、さっきまで赤味を帯びていた顔の色が蒼白になり、唇の端を神経質にピクピクさせているのであった。

「―――今宵は至れり盡せりの御饗応に与り、結構な引出物まで頂戴したことはしましたが、まだこれだけでは、憚りながら此の左大臣を引き止めるには足りませんな」

「そう仰っしゃられると穴へでも這入りたい! 愚老としましては此れが精一杯なのですが、………」

「あなたは此れで精一杯だと仰っしゃるが、失礼ながらあの箏のことゝ馬二匹では、まだ引出物が不足ですな」