Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme
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自分は昨夜、左大臣のあのしつッこい所作を見ているうちに、平素胸中にわだかまっていたそう云ういろ/\なもや/\が、酔いが発するのと共に次第に湧き上って来るのを覚えた。いったい此の人が、そんなにも自分の妻に気があるのだろうか。もしそうならば、自分が日頃夢見ていたことが、或は実現されるかも知れない。自分が本気で、その計畫を実行に移すつもりなら、今こそ無二の機会であり、此の人こそその資格のある人物である。官位、才能、容貌、年齢、あらゆる点から云って、此の人こそ、自分の妻にふさわしい相手である。此の人ならば、ほんとうにあの人を幸福にしてやることが出来るのである、と、自分はそう思ったのであった。
自分の心にそう云う考が萌していたところへ、左大臣があんな工合に積極的に出て来たので、自分は一も二もなかった。自分の念願と左大臣の念願とが図らず合致したことに、自分はひどく感激した。一つには左大臣の恩に報い、一つにはいとしい人への罪のつぐないが出来ると思うと、自分は有頂天になった。そして咄嗟にあゝ云う行動に出てしまった。………あの瞬間にも、お前はそんなことをしてよいのか、いくら恩返しをすると云っても、餘り寛大過ぎはしないか、………酔った勢で飛んだことをして、覚めてから地団太蹈むのではないか、………お前が愛する人のために献身