Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねんのしょくもつ
少年の食物
木村 荘八
Lesen Sie 少年の食物 (しょうねんのしょくもつ) von 木村 荘八 (きむらしょうはち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.263 Zeichen · 11 Bildschirme
当時家兄は、神田の京華中学へ通っていましたが、兄の中学の友人に伊藤? 何とか云う人がいた。度々その人から肉筆の水彩絵ハガキが来て、殊に兄キ達は、仲間で『風見』と云う廻覧雑誌をやっていました。――その表紙と口絵とに或る号へ「伊藤さん」が、表紙には女の上を向いた大きな顔と、口絵に煉瓦建てのある風景を描いていました。忘れもせぬ「ワットマン」と云うごりごりした紙へ描いてあって、その絵の為に『風見』はあけにくい位でしたが、私はそれを見た時、頭がカァーッとする程亢奮しました。何度その絵をと見こう見したか知れないし「伊藤さん」が或る日来た時には、どんなにその一寸猫背のような、カラを付けないで服の襟を外している、その風貌も何も彼も、尊敬したか知れません。兄キの室へ行ってはその『風見』を幾度も見たものです。例の来者不拒のかけじのある室へ。
と、矢張りその時分のこと、兄キが此度は何だか大きな紙へハムレットの芝居を見たと云うので、そのハムレットの場面を絵に描きました。――一体家兄は初めは私よりずっと絵がうまかったので度々絵はかいていた。私は丸で頭が上がらなかった。然し此度のハムレット程まとまった大作は、したことがありませんでした。