Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねんたんていちょう
少年探偵長
海野 十三
Lesen Sie 少年探偵長 (しょうねんたんていちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.286 Zeichen · 221 Bildschirme
チャンウーは花瓶のおもてを、なでたり、さすったりしていたが、ふと、なかをのぞいてみて、妙な顔をして眉をしかめた。
「おや、この花瓶、なかがつまってますね」
「そうなのです。父が買ってきたときからそうなっているんです。だから父はこの花瓶のことを、開かずの花瓶だなどと笑ってました。が、……きっと、なにかわけがあって、花瓶をつめてしまったのでしょうね」
チャンウーが不思議に思ったのも無理ではない。その花瓶は首のところまでセメントがつめてあって、叩くとコツコツかたい音がした。チャンウーは、しばらく考えていたが、
「いや、これは珍しい花瓶です。しかし、これくらい大きな花瓶になると、花を飾るよりも、花瓶自身が飾りものです。で、いくら御入用ですか」
「まあ、それじゃ買ってくださいますの。実は、……」
と立花先生が金額をきりだすと、チャンウーは笑って、
「それは高い。なかのつまった花瓶なんて、やっぱり疵物も同様ですから、その半分ぐらいでなくちゃ……」
「あら、半分はひどいですわ。もう少しフンパツしてくださいな」と、しばらく押問答をしていたが、いったい、どれくらいで折れあったのか、それから間もなく骨董商の店をでていく立花先生の顔色をみると、いかにも嬉しそうな微笑がうかんでいた。