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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうねんたんていちょう

少年探偵長

海野 十三

Lesen Sie 少年探偵長 (しょうねんたんていちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.286 Zeichen · 221 Bildschirme

Aozora Bunko

「ど、どうしたの」

「しっ、静かに! あの大花瓶をごらん」

押しころしたような春木少年のささやきに、牛丸平太郎もなにげなく、花瓶のほうへ眼をやったが、そのとたん、ゾッとするような恐ろしさが背筋をながれた。

ああ、見よ! 大花瓶につめてあったセメントが、ポッカリ中から押しのけられると、その下から、ニューッと一本の腕がでたではないか。

「あっ!」牛丸平太郎は危く叫び立てるところを、急いで口に蓋をした。

大花瓶のなかに誰かいるのだ。そしてそいつがいま、花瓶のなかからでてこようとしているのだ。

二少年の胸はドキドキ躍った。額からビッショリと汗が流れた。二人は夢中になって、天窓のわくにしがみつき、眼を皿のようにしてチャンウーの店をのぞいている。

大花瓶のなかからは、また一本の腕がでた。そして、二本の腕は、しばらく花瓶のふちを握ってモガモガしていたが、やがて、軽業師のように、ヒョイと花瓶のふちへ這いのぼったのは、ああ、なんということだ!

それは世にも不思議な小男ではないか。

小男は全身に、縫いぐるみみたいな黒い服をぴったりつけていた。そして、頭には服にぬいつけた三角型のトンガリ頭巾をスッポリかぶり、顔には大きな仮面をつけていた。