Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねんたんていちょう
少年探偵長
海野 十三
Lesen Sie 少年探偵長 (しょうねんたんていちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.286 Zeichen · 221 Bildschirme
早く渡してしまった方が、とくだぞ」
「わしはそんなものは知らない。もちろん、持ってはいない。いくどきかれても、そういうほかない」
戸倉老人の語調は、すこし乱れてきた。机博士はうしろで注射薬のアンプルを切る。
「知らないとはいわせない。では、これを見よ」
四馬は、とつぜん右手で長い左の袖をまくりあげた。左の手首があらわれた。そのおや指とひとさし指との間に支えられて、ぴかりと光る小さな半月形のものがあった。例の黄金メダルの片われであった。しかしこれは春木少年が今持っているあの片われとは形がちがっていた。
つまり、春木少年の持っているのは、片われにちがいないが、半分よりすこし大きく、メダルの中心から角をはかると、百八十度よりも二十度ばかり大きい。今、四馬が指の先につまんで見せたのは、半分より小さいもので扇形をしている。
それを頭目は戸倉の前へつきつけた。
「どうだ。これが見えないか」
「あッそれだ。や、汝が持っていたのか。ちえッ」
戸倉老人は、かん高い声で叫ぶと、手を延ばそうとした。しかし手足は、椅子車に厳重にしばりつけられてあって、手を延ばすどころではない。