Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのはる
山の春
高村 光太郎
Lesen Sie 山の春 (やまのはる) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.835 Zeichen · 8 Bildschirme
の方をぼかしている山のかさなりを見ていると、何だか出来立ての大きなあんぱんが湯気をたてて、懐紙の上にいくつも盛られているようで、わたくしは枯草の原の枯木の株に腰をおろして、「これは大きなあんぱんだなあ、うまそうだなあ、」と思って見ている。
ウグイスという鳥は春のはじめは里の方に多くいるもので人家の庭などでさえずるが、山に来るのは初夏から秋までである。山にいても、どこにいてもこの鳥の声ばかりはあたりを払うような美しさを持っている。山では殊に谷渡りがすばらしい。山の春の鳥はまるで動物園のようで、朝夕はまことにおそろしい。鳥の出席率はどうも朝日の多少に左右されるらしい。キセキレイ、セグロ、コマ、ルリ、ウソ、ヤマガラ、ヤマバト、ヒバリ、とても書いていられないほど多い。いちばんふつうに路ばたにいるのは、やはり頬白で、朝くらいうちから「一筆啓上仕候」とやっている。
スミレ、タンポポ、ツクシ、アザミの類は地面いちめんを被っているから、スミレのあのかわいい花を踏みつぶさないでは小径もあるけない。そういう草のわか葉の中にヌノバと土地の人がよんで好んでたべる草がある。