Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのあき
山の秋
高村 光太郎
Lesen Sie 山の秋 (やまのあき) von 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.435 Zeichen · 15 Bildschirme
たんぼの中に太い棒を立てて、これに高く稲束を丸くつみ重ねる方式もあり、又は低く積む方式もある。夜など見るとまるで巨人が立っているようだ。普通は棚のように横に四段にしつらえた丸太に逆さにぎっしりかけ並べる。まるで路の両側に稲穂の塀が出来たように見える。その金いろの稲穂の塀の間の路をゆくと、あの一種独特な、うまそうな稲の香りが強烈に匂ってきて、農家の営みの大半がまず無事に終ったなという大安心を感じさせる。わたくしは町へ用足しに出て帰る途中など、この稲穂を見るのがたのしかった。穂にも大きな粒や小さな粒があり、長いのや短いのがある。穂の種類によるらしいが、ともかくそのむっとするような、母のふところの匂のような、あまいような、香ばしいような芳香の中を歩くのがたのしかった。部落を出はずれて林のかげの自分の小屋の方に近づくと、いつのまにか稲穂の香りの人間らしさは消えて、今度は秋の山々からりょうりょうと吹いてくるオゾンに富んだ微風の新鮮無比な、宇宙的感覚のようなものが胸一ぱいに満ちるのであった。(秋の味覚のリンゴのことは又別に書く。)