Japanische Klassiker mit Furigana
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やまへかえりゆくちち
山へ帰りゆく父
小川 未明
Lesen Sie 山へ帰りゆく父 (やまへかえりゆくちち) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 7.875 Zeichen · 16 Bildschirme
父親は、遠い街に住んでいる息子が、どんな暮らしをしているかと思いました。そして、どうか一度いってみたいものだと思っていました。
しかし、年を取ると、なかなか知らぬところへ出かけるのはおっくうなものです。そして、自分の長らく住んでいたところがいちばんいいのであります。
「私は、こんなに年をとったのに、せがれはどんな暮らしをしているか心配でならない。今年こそはいってみよう。」
父親は、遠い旅をして、息子の住んでいる街にやってきました。それは、にぎやかな都会でありました。
静かな、夜などは、物音ひとつ聞こえず、まったくさびしい田舎に住んでいました人が、停車場に降りると、あたりが明るく、夜でも昼間のようであり、馬車や、電車や、自動車が、往来しているにぎやかな有り様を見て、びっくりするのは無理のないことです。父親も、やはりその一人でした。
「お父さん、よくおいでくださいました。」といって、息子はどんなに喜んで迎えたかしれません。
息子はいまでは、この都でなに不自由なく暮らしていられる身柄でありましたから、父親に、なんでも珍しそうなものを持ってきて、もてなしました。