Japanische Klassiker mit Furigana
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いけぶくろのみせ
山之口貘詩文集
山之口 貘
Lesen Sie 山之口貘詩文集 (いけぶくろのみせ) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.477 Zeichen · 93 Bildschirme
そして、ふたりとも絵かきだと答えると、
「なんだ絵かきか」と巡査は云ってうなずいたかとおもうと「この辺には絵かきがずいぶんいるよ、すぐそこにも安井曽太郎がいるんだ」と云って、すっかり心安くなってしまったのである。そして、「とにかくまあ早く帰って寝てくれよ、その道をどこまでも行くと江戸川へ出るから」と教えてくれた。通りすがりに見ると、ぼくらは目白駅のところを歩いているのであった。
ふたりは、重たい足を引き摺って、しばらく歩いていたのであるが、道の二股にさしかかって、そうだここで夜を明かそうとおもった。二股の右手の道路に、幾本かの土管が転がっていたからなのである。ぼくらは、土管と土管との間に、横になっている土管を宿にすることにした。寝坊しても、往来の人から姿を見られないためなのである。ふたりは、両端に別れて、それぞれの頭を先に土管のなかへもぐり込んだのである。そして、ふたりは向き合って、立てた両膝を両手で抱きしめて、おなじポーズで坐ってみた。まもなく、また、おなじように、ふたりはそれぞれの両足を、土管の口の方へ投げ出して、頭と頭を向き合わせたまま、疲れといっしょにそこにへたばったのである。