Japanische Klassiker mit Furigana
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やまぶきのはな
山吹の花
豊島 与志雄
Lesen Sie 山吹の花 (やまぶきのはな) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.727 Zeichen · 22 Bildschirme
――久子、身モ心モ元気ニナッタ。スグニ帰ッテ来テ下サイ。
田宮は立ち上って、思いきり伸びをした。もう丸沼にも菅沼にも心残りはなかった。死を思うことも止めにして、そしてただ、久子だけは救ってやりたかった。綾子は死んだが、久子は生きていた。
山吹の花のあと、実は結ばないと言われているが、必ずしもそうでないことを田宮は知っていた。少くとも彼の庭の山吹には、褐色の小さな実がいくらも結んだ。花だけでもよろしいけれど、なるべく実を結ぶ花でありたかった。せめて人事はそうでありたかった。自宅の山吹の花は実を結ぶことを思って、田宮は気力が出た。それは感傷ではなかった。彼は直ちにホテルの勘定書を求め、旅行案内をくって帰途の時間を調べ、百合子宛の電報を書き、そして荷物をまとめた。