Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎゅうじん
山月記・李陵 他九篇
Lesen Sie 山月記・李陵 他九篇 (ぎゅうじん) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.608 Zeichen · 84 Bildschirme
私はただ無性に嬉しくなり、むやみに走り廻っては彼らを追いかけ廻した。幾らでも、全く可笑しい位幾らでも、捕まるのだ。嘴の赤くて長い・大きな白い奴を一羽抱きかかえた時はさすがに少し暴れられてつっ突かれはしたが、私は子供のように喚声をあげながら何十羽となく捕えては離し、捕えては離しした。同行の船員らは始めてではないので私ほどに喜びはしなかったが、それでも棒切を揮っては大分無用の殺生をしていた。彼らは手頃な大きさの奴三羽と、薄黄色い卵を十ばかり、食用にするために船へ持ち帰った。
遠足に行った少年のように満足し切って船に戻ると、下船しなかった警官が私に言った。
「あの野郎(ナポレオンのことだ)昨日から不貞腐れて何も喰わんのですよ。芋と椰子水を出して手の縄を解いてやるんだが、見向きもせんのです。何処まで強情か底が知れん。」
なるほど、少年は昨日と同じ場所に同じ姿勢でころがっていた。(幸い、そこは陽の射さぬ所だったが。)私が側へ寄っても、目はハッキリあいているくせに、視線を向けようともしないのである。
次の朝、即ちS島を出てから二日目の朝、船はようやくT島に着いた。