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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまもとゆうぞうしのきょうち

山本有三氏の境地

宮本 百合子

Lesen Sie 山本有三氏の境地 (やまもとゆうぞうしのきょうち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.155 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

それが母であるからこそ猶更耐えがたい苦しみと憎悪を感じさせ、本質的に母を捨てた心持になったのだということを、幾万人かの母のために持前の道義的懇切さで説明し得なかったのであろう。これは、十分この作者としてとりあげられる種類の人間的徳義心の問題である。こういう徳義は、パーウェルの母であるとかないとかいうことではない。大処高所から自分とわが子の運命の意味を見とおして、互に傷つきながらゆるがぬ情愛を持つ親は、現在の世の中に全然ない例ではない。

「女の一生」で最も重大な允子の「第二の出産」も、子にばかり頼る不甲斐ない母であるまいとする日暮しの運びかたが強調されていて、「母親というものは生むもの、創造するものである」という健気な自覚を内容づける母としての愛の高まり、拡大、愛の驚くべき賢こさが働くならば、去った息子との間に新しい精神的接近の試みがされるであろうこと等が、全くとりおとされているのは、非常に惜しいと思う。允子の第二の出産に於てのしっかり工合の中には、作者によって彼女の人道的医療がふれられていても、何だか硬く、自分の身を守る決心をした女の底冷たさが流れているのはどういうものだろう。