Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme
慣れ切っている風付(ふうつ)きを見ると、一筋縄で行く曲者(くせもの)じゃなさそうだ。二人の刑事が車掌台に頑張っていなかったら吾輩とても撒(ま)かれたであろう。
若い男は大胆にも、タッタ今刑事を載せて行った電車のアトから電車道の大通りをこっちに渡って、吾輩が立っているのに気が付いてか付かないでか見向きもせずに通り抜けて、西門通りの横町に這入って行った。それから二三町行って小さな坂道を降りると、郵便局の前から又右に曲った。オヤオヤこの辺をグルリと一廻りするつもりかな……と思い思いあとから電車通りに出てみると、先に立った若い男は呉服町の停留場まで来て、ちょっと躊躇しながら、右手の博多ビルデングの中へスウッと消え込んだ。
博多ビルデングというのは、この頃建った福岡一のルネッサンス式高層建築で、上層の三階が九州随一の豪華を誇る博多ホテルになっている。その下の方はカッフェ、理髪、玉突、食堂なぞいうデパートになっていて、いずれも福岡一流のダンデーな紳士が行く処だそうな。
そんな処とは知らないもんだから、若い男の後(あと)から跟(つ)いて行った吾輩は、ビルの玄関に這入るとギョッとした。