Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme
「困るわね」
お玉は真剣に吾輩の事を心配しているらしく、両手をワンピースの膝の上で拝み合わした。実は、吾輩もここでこの女に宿賃なんか払わしちゃ江戸ッ子の名折れになる。どうかして編輯長に電話をかけて、せめてここの宿賃だけでも月給の前貸しをしてくれと頼みたい一心でコンナ話を持ち出したのであったが、そこは相手が女だけに、吾輩のそうした腹を察し得なかったらしい。何か思案しながらジッと閉じていた眼を、やがて嬉しそうに見開くと、両手をポンとたたき合わして椅子をスリ寄せて来た。
「――それじゃアンタ……いい事があるわ。明日(あした)ね。妾が、この麻雀(マージャン)の籠を持って大阪へ行ったら、ここの警察へ思い切り馬鹿にした投書をするから、その投書を新聞に素(す)ッ破抜(ぱぬ)いてやったらいいじゃないの。アンタが書いた文句を妾が写して行ってもいいでしょう。そいつを記事にしたら警察でもビックリするにきまっているわよ」
「ウーム。それもそうだな」
「何とか面白い文句を考えて頂戴よ」
「駕籠(かご)を抜けたが麻雀(マージャン)お玉。警察(さつ)のガチャガチャ置き土産。アラ行っちゃったア……っていうのはどうだい」