Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme
愛想(あいそ)もコソもあったもんじゃない。
「イヤ。お蔭でサッパリした。ところでどうだい。今の地面の話は……モウ少し歩み寄ってもいいんだが……。決して君を跣足(はだし)にしやしないが、先方はどこに居るんだい」
「ヘエ。これはモウ……何でも門司の親類の処に居るんだそうですが、時々八幡様を拝みかたがた様子を聞きに参りますんで。モウ今日あたり来る頃と思うんですが。二三日中に来るってえ手紙が、二三日前に参りましたんで……」
「ヘヘッ。お安くないね。うまく遣ってるじゃないか一木の後家さんと……」
「じょ……じょ……じょうだん……」
と親方は何かしら顔色を変えながら芸者の方をチラリと見た。しかし吾輩は何も気付かなかった。背後を振向いた時には、大きなお尻を振り振り、表口を邪慳(じゃけん)に開けて出て行く、豚芸者の後姿が見えた。……何という変な芸者だ。そんなに待たせもしないのに……と思っただけであった。
そのサッサと帰って行く後姿を見送りながら、苦々しい表情で瀬戸火鉢の前に腰を卸して、長羅宇(ながらう)で一服しかけた親方は、何気なく吾輩が差出したバットの箱を受取ってチョット押し頂きながら一本引出した。