Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんけいにいくるひとびと

山谿に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.699 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

が、肉自体、元金を食ってはいけない、ってんだ。ここんとこを一つ、よく考えてみてくれ。早い話が、お前のおやじを例にとってみようか。いやな顔をするな、例というものは実感がないと利き目が薄いものだ。お前のおやじが、俺に何と言った。

『わしは子供のために、麦飯と味噌だけで暮して、財産を拵えた。田も畑も家敷もある。が、長男は使う事ばかり知って、殖そうとはせん。それでわしは勘当した。娘には婿をもろうて店を継がせようとしたが「お前見たいな素寒貧について」駆け落ちしてしもうた。三男も、こいつどうせ、お前さんに仕込まれて、ロクな者になりはしない。わしは子供のために財産を残したが、子供は誰ももらってくれようとはせぬ』

と言ったじゃないか。『そんな御心配は要りません。わしがもらって上げます』とも言えんじゃないか。で、俺は芯から同情したような顔をしていた。また、実際、その動機には同情するさ。子供の幸福のためには、泣いたって喚いたって、今の社会では、金がなかったら問題にならない。金を軽蔑なんかしていようもんなら、現在では、子供の幸福どころか、一家心中もんだ。だから『子供のために金』