Japanische Klassiker mit Furigana
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しまばらしんじゅう
島原心中
菊池 寛
Lesen Sie 島原心中 (しまばらしんじゅう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.293 Zeichen · 29 Bildschirme
若者に対する、いたいたしいという同情は、すぐ僕の職業的良心に抑えられていました。僕が、尋問を始めたときには、もう、普通の検事の口調になっていました。僕は、その頃、だんだん被告に対する尋問のこつを覚えて来ていたのです。
『さあ、これから、お前に少しききたいことがあるのだが、お前もな、できたことは仕方がないことだから、何もくよくよ考えずに、男らしくありのままに話してもらいたいのだがなあ。お前も、これほど思い切ったことをやった男だから、思い切って男らしく潔く、俺のいうことに答えてくれないかん。いいかい。どうしたといったら、どう取られる、こういったらこう取られるなどということを、腹の中で考えていたらあかん。考えていうと、ウソになる。ウソになると、物のつじつまが合わなくなる。つじつまが合わなくなると、本当のことまでがウソになる。いいかい。だから、お前が俺の合点のいくように、本当にそうかということになると、できたことは仕方がないということになって、結局お前の利益になるんじゃ。だから素直にいった方が、一番かしこいことになるのだからな』
検事でも、予審判事でも、尋問を始める前には、きっとこんな風なことをいうのです。