Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くずれるおにかげ
崩れる鬼影
海野 十三
Lesen Sie 崩れる鬼影 (くずれるおにかげ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.100 Zeichen · 69 Bildschirme
――警察が出ました。
「モシモシ。小田原署ですか。大事件が起りましたから、早く医者と警官とを急行して貰って下さい」
「大事件? 大事件て、どんな事件なんだネ」
向うはたいへん落付いています。
「兄が天井に足をついて歩いていましたが、下におっこって気絶をしています。いくら呼んでも気がつかないのです」
「なにを云っているのかネ、君は。兄がどうしたというのだ」
「兄が天井に足をつけて歩いていたんです」
「オイ君は気が確かかい。こっちは警察だよ」
ああ、これほどの大事件を報告しているのに、警察では一向にとりあってくれないのです。私はヤキモキしてきました。
「まだ大事件があるのです。ここの主人が、先刻フワフワと空中を飛んで門の上をとび越え、川の向うの森の方へ行って見えなくなりました」
「なアーンだ。そこは飛行場なのかい」
「飛行場? ちがいますよちがいますよ。ここの主人は飛行機にも乗らないで、身体一つでフワフワと空中へ飛び出したのです」
「はッはッはッ」と軽蔑するような笑い声が向うの電話口から聞えました。「人間が身体だけで空中へ飛び出すなんて、莫迦も休み休み言えよ。こっちは忙しいのだから、そんな面白い話は紙芝居のおじさんに話をしてやれよ」