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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるおんなのしょうがい

嵐・ある女の生涯

島崎 藤村

Lesen Sie 嵐・ある女の生涯 (あるおんなのしょうがい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.846 Zeichen · 96 Bildschirme

Aozora Bunko

父としては子を傷け、夫としては妻を傷つけて行ったようなあの放蕩な旦那が、どうしてこんなに恋しいかと思われるほど。

「ああああ、お新より外にもう自分を支える力はなくなってしまった」

とおげんは独りで言って見て嘆息した。

九月らしい日の庭にあたって来た午後、おげんは病室風の長い廊下のところに居て、他人まかせな女の一生の早く通り過ぎて行ってしまうことなぞを胸に浮べていた。そこへ院長蜂谷が庭づたいに歩いて来て、おげんを慰め顔に廊下のところへ腰掛けた。

「お嬢さんを見ると、先生のことを思出します。ほんとにお嬢さんは先生によく似てお出だ」

蜂谷はおげんの旦那のことを「先生、先生」と呼んでいた。

「蜂谷さん、あれももう四十女よなし」とおげんは言って見せた。

「もうそうお成りですかいなあ」と蜂谷も思出したように、「私が先生の御世話になった時分はお嬢さんもまだ一向におちいさかった。これまでにお育てになるのは、なかなかお大抵じゃない」

「いえ、蜂谷さん、あれがあるばかりに私も持ちこたえられたようなものよなし。ほんとに、あれのお陰だぞなし。あれは小さな時分からすこしも眼の放されないようなもので、それは危くて、危くて、『お新、こうしよや、ああしよや』