Japanische Klassiker mit Furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme
お徳と三郎の間には、こんな小ぜり合いが絶えなかった。
「とうさんはお前たちを悪くするつもりでいるんじゃないよ。お前たちをよくするつもりで育てているんだよ。かあさんでも生きててごらん、どうして言うことをきかないような子供は、よっぽどひどい目にあうんだぜ――あのかあさんは気が短かかったからね。」
それを私は子供らに言い聞かせた。あまり三郎が他人行儀なのを見ると、時には私は思い切り打ち懲らそうと考えたこともあった。ところが、ちいさな時分から自分のそばに置いた太郎や次郎を打ち懲らすことはできても、十年他に預けて置いた三郎に手を下すことは、どうしてもできなかった。ある日、私は自分の忿りを制えきれないことがあって、今の住居の玄関のところで、思わずそこへやって来た三郎を打った。不思議にも、その日からの三郎はかえって私になじむようになって来た。その時も私は自分の手荒な仕打ちをあとで侮いはしたが。
「十年他へ行っていたものは、とうさんの家へ帰って来るまでに、どうしたってまた十年はかかる。」
私はそれを家のものに言ってみせて、よく嘆息した。
私たちが住み慣れた家の二階は東北が廊下になっている。