Japanische Klassiker mit Furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme
「まあ、叔母さんにそっくりですこと。」
「どうです、私の子供も大きくなりましたろう。」
「ほんとに。あの叔母さんがお達者でいらしって、今の末ちゃんたちを御覧なすったら、どんなでしょう。」
土屋の甥の亡くなったは、私の子供らの母さんが亡くなったのと同じ年にあたる。あの母さんが三十三、甥が三十七で没した。かつみさんの前ではあったが、つい私は甥のことなぞを言い出した。
「妙なものですね。三十台で亡くなった人は、いつまでも三十台でいるような気がしますね。その人が五十いくつになるとは、どうしても思われませんね。」
「でも、叔父さん、早く亡くなったものがいちばんつまりませんよ。長く生きていれば、こうしてまた叔父さんにお目にかかれるような日もまいりますもの。」
その日はこんな話が尽きなかった。
私の五十六という年もむなしく過ぎて行きかけていた。かつみさんのような人が訪ねて来てくれてもあの土屋の甥や子供らの母さんが達者でいたころのようには話せなかった。ただただ私たちはそういう昔もあったことを考えて、互いに遠く来たことも思った。
不景気、不景気と言いながら、諸物価はそう下がりそうにもないころで、私の住む谷間のような町には毎日のように太鼓の音が起こった。