Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
パリさい
巴里祭
岡本 かの子
Lesen Sie 巴里祭 (パリさい) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.324 Zeichen · 60 Bildschirme
彼は新吉がベッシェール夫人の隣へ引越して来て間もなく夫人と喧嘩して出て行ったので、新吉とはたいした馴染もなかったが新吉を見付けると懐かしそうに寄って来て無暗と酒を勧めた。彼は夫人の家にいたときからみると、ずっと若返ったようだ。彼は新らしい妻だといって若い女を紹介した。その女はたゞ若くて十人並の器量で、はしゃいでいるような女だった。何処か間の抜けている性質のようにも見えた。それで二人は大ぴらでベッシェール夫人の話をした。ジョルジュは新吉を酔わせて夫人の悪口でも言わせようという企みが見えた。新吉は其の手には乗らなかった。すると遂々彼は夫人に未練を残していることを白状して、
――あんな洒脱な女はありませんよ。あれと暮して居ると、本当に巴里と暮しているようですよ。六日間も自転車競争場の桟敷で、さばけた形をして酒の肴のザリ蟹を剥いてるところなぞ一緒にいてぞっとする程好かったですよ。」
こんな言葉を連発するようになった。だがしまいには彼は問わず語りにこんな事を言った。
――たゞあの女の鋏がね。あの鮫の腹いろに光る鋏がね。あなたもお隣りなら随分気をおつけなさい。もっともあの鋏の冴えが、あの女の衣裳芸術の天才の光なんだが……なんにしても男をいじめては男に逃げられるのが気の毒な女さ。