Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「なるようにしかならぬ。何とかなろう。どうもならぬときは」若松屋惣七は、眼をみはるようにして、お高のほうを向いた。
「なあ、そのときは、そのときではないか。それより、お前のほうは、どうした。それを聞こう」
「どうと申しまして、べつに、申しあげることはございません」
「うそをつけ。帰って来てくれと、磯屋にいわれて、いろいろ話があったことであろうが」
「はい。そういうはなしはございました」
「それを、どうきめたのだときいておるのだ。べつに強って聞こうとはいわんが――」
若松屋惣七は、ふところに入れていた手を胸元へまわして、がりがりかいた。顔をしかめて貧乏ゆるぎをはじめた。
六
「どうと申して、またいっしょになるなんぞ、死んでもいやでございます」
「なぜだ」
「なぜでも、いやでございます」
「それで、帰って来たのか」
「はい」
「馬鹿め。磯屋におればよいに。おれのところは、あすにも食うに困ることになるぞ」
「はい。高は、ごいっしょに乞食をさせていただこうと存じまして、帰ってまいりましてございます」
「ふん。そうか、それもよかろう」
若松屋惣七は笑った。あくびをして立ち上がった。