Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
龍造寺主計は、考えていた。
「わたしも、ここらでいいかげん、ちょっと落ちついてみてもいいのだ」と、いった。「腰をすえて、若松屋惣七どののように、町人に鞍がえするも、また面白いかもしれぬ」
冗談でもなさそうだった。そして、つけ加えた。
「それで、若松屋が一時浮かぶ。わしの身も、まず固まる。とならば、両得である。武士というものがいやになっておる点にかけては、わたしも、若松屋に負けぬつもりだ。
しかし、その、きちがいになった東兵衛という男に、出した資金をすっかり返してやって、そのうえ、具足屋の借財を一身に引きうけるとは、若松屋惣七という男は、涼しい気性の男だな。いささか涼しすぎると申してよいぞ。若松屋惣七ともあろう腕ききのしたことともおぼえぬが、まず、そうあってこそ、若松屋惣七の若松屋惣七たるゆえんであり、世の中も、面白いのであろうな」
龍造寺主計は、あははと笑った。
四
龍造寺主計は、そのままずるずるべったりに、若松屋惣七方の客となって、四、五日を過ごしたが、毎日のように出歩いていて、お高とも、惣七とも、その後会って、くわしい話を聞くというのでも、するというのでもなかった。