Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「うまくゆくも、ゆかぬもない。うまくやるようにするのだ。わたしと、若松屋惣七どのと知恵をあわせて」
「そのおことばひとつが、頼みでございます」
「うむ」龍造寺主計は、うなずいて、「若松屋惣七という人物は、知れば知るほど、このましい人物である」
「旦那さまと近しくなすっていらっしゃるお方は、みな様そうおっしゃいますでございますよ」
「いや、そればかりではない。なぜわたしが、若松屋惣七どのに肩を入れるか、あんたには、そのわけがおわかりかな」
「御気性が、おあいなさるのでございましょうよ」
「それもあろう。が、第一の理由は、これまでよくあんたのめんどうをみてきてくれたからだ」
お高は、ぱっと赧い顔になった。身をすくませるようにした。
龍造寺主計は、お高のほうへ、平気な顔をつき出していた。
「お高どの、あす発足じゃ。その前に、ぜひ一つ、きいておきたいことがある。そのために、ちょっとここへやって来たのじゃが、どうだ、わたしのところへ、嫁にきてはくれぬかな」
龍造寺主計は、お高と若松屋惣七との関係を、知らないのだ。まるで、猫の仔でももらいうける交渉のような、こともなげな切り出し方だが、ふとい声が、ふるえていた。