Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
久助という新しい板さんが来たということは聞いていたけれど、まさかお父つぁんとは思わなかったよ。歩きながら話そうじゃないか。まだそんなにおそくもないようだねえ」
父と娘は、また黙って四、五間歩いて行った。近くに銭湯があるとみえて、しまい湯を落とした湯気が、溝から白く立ちのぼってきた。それには、人間の膚のにおいとおしろいのにおいがまざって、むっと生あったかかった。
お駒ちゃんは、宵の口におせい様に招ばれて来たときの服装のままだった。気分が悪いから先に式部小路へ帰るといって、駕籠で出たのだったが、どこかそこらで駕籠をおろして帰ってしまって、じぶんは、眼立たないように路地に立って、父の久助の出て来るのを待っていたのだった。
向こうから三人づれの侍が来たので、父娘は道の端によけて通った。三人の足音がうしろのやみに消えてしまうのを待って、久助が、低い早ぐちでいった。
「お駒、父に得心のいくように話してくれ。おめえはさっきおれに、あんなところで何をしているときいたがおれこそ、それをおめえにききてえのだ。あの美男の妹などと触れ込みやがって、いずれまたろくでもねえ芝居をたくらんでいるのだろう。