Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
いいやそれにちげえねえ。
考えてもみるがいい。どこの世界に、おのが娘にへいつくばって給仕をする父親があるものか。お駒さまが寒気がなさるから熱燗を持ってこいもねえものだ。おめえは主人の客、おいらは奉公人、しかたがねえからばつを合わせてへいこら仕えてるようなものの、実の親を使い立てしやあがって、罰当たりにもほどがあらあ」
「知らずに行ったら、出て来た変わり者の板さんというのがお父つぁんだったんだから、わたしも驚いたけれど、ああするよりほかないじゃないか」
「聞けあおめえはあの磯屋の旦那の妹てえ看板だそうだが、親のしらねえ兄というのがあってたまるか。おおよそ察しのつかねえこともねえが、いってえどういうわけだ。おめえという女はしたたか者になるに相違ねえと、おれあいい暮らしたもんだが、おふくろが先に眼をつぶって、おめえのこの欺り同然のしわざを見せねえですむだけが、せめてもよ」
「そんなこといわないでおくれよ」お駒ちゃんの声はちょっとさびしそうだが、別に肉親の情愛がこもっているでもない。
「何も悪いことをしてるわけじゃあないんだもの。ほんとに、何も悪いことをしてるんじゃないよ」