Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「気楽な身分だな」
「気楽ではないのですよ。退屈なのですよ」
「同じこった」
「そう。おなじことでしょうか」
ふたりは、声を合わせて笑った。
「で、いつたつのだ」
「京都のほうは、まだ先のことです。その前に、片瀬の龍口寺へお詣りして来ようと思っておりますが、同伴ができましてねえ。大久保様の奥さまが、いっしょに行きたいといい出したのですよ」
「龍口寺とは、また奇特だな。えらい信心ではないか」
「信心も信心ですが、そういっては悪いけれど、遊山半分なのですよ。一度も、行ったことがありませんからねえ」
「ついでに、江の島をまわってくるといい。おれも、行きたくなったな。行こうかな」
「そうですよ。ごいっしょに参りましょう。江の島へ寄って、ゆっくり遊びましょう」
「しかし、おれのほうは、すぐ行くというわけには参らぬのだ。友だちが来ることになっているでな。あの、紙魚亭の主人じゃ」
「麦田一八郎さま。存じております」
「そうだ。お前も、知っているな。きやつが、久方ぶりに岩槻より出府して参って、たずねると申してきている。待たずばなるまい」
「それは、好都合でございます。わたくしのほうも、いまいった大久保の奥様が風邪でふせっていらっしゃるので、それが快くなるのを待っているのですから。