Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
それよりお眼のほうはいかがですか」
「悪くもならんが、よくもならん」
「困りますねえ」
「困る」
「そんなにおひとりで出歩いて、およろしいのですか」
「用があって、参った」
二
「はい。どういう御用でございましょう」
若松屋惣七は、ちょっと切り出しにくそうにした。相手が、あんまり事務的だからだ。若松屋惣七は、まぶしそうな眼を、歌子のほうへ上げた。
「女をひとりつれて参るが、会ってやってくれぬか」
「女の方――ええ、おあいしますとも」が、歌子はすこし不思議そうな顔をした。「でも、どういう方でございます」
「可哀そうな女なのだ。今後いろいろ、相談に乗ってやってもらいたい」
「それはもう、わたくしできますことなら、何でも――どなたでございます」
「うちの女番頭である」
「すると、あの、お高さんとかいう――」
「そうだ」
歌子の額部を、迷惑そうな色が走り過ぎた。彼女は、お高をよく識っているわけでない。いや、よく識らないからこそ、この独身の従兄の家へ女番頭として住みこんでいるということだけで、お高を、何か色じかけのわる者かなんぞのように、気をまわして考えているところがあるのである。