Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
朝、帳場になっている奥の茶室へ、お高が仕事のことで来て、すぐ出て行こうとすると若松屋惣七が、呼びとめた。
「わしの従妹の歌子というのが、お前に会いたいというておるのだが、今夜いっしょに行かぬか」
「どうぞお供させてくださいまし。でも、歌子様は、わたくしのようなものはおきらいでございますまいか。歌子さまとおっしゃいますのは、よく旦那様がお噂なさいます、あの、薙刀や柔術のおできになる方でございましたね」
「そうだ。近く片瀬の龍口寺へ詣ると申しておった。きのうは久しぶりに会うて、お前のことをいろいろ話してまいった」
お高は、さっと暗い顔になった。若松屋惣七は、それを感じて、いそいで話をついだ。
「いろいろと申したところで、例の、お前が知られたくないと思っておることは、いいはせぬ。しかし、それも、考えてみると、皆に聞こえたところで、いっこうさしつかえないではないか。お前が、かの磯五という極道者につながれておるということは、何もお前の罪ではないのだからな」
「いえ。そればかりは、わたくし」お高の声は、苦痛と恥辱で、今にもこわれそうだ。「考えるのもいやなのでございますから、どんなことがありましても、人さまに知られたくはございません。