Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
父については、一空さまもよろこんで話した。ふたりは、楼門からはいっていくために、まっすぐ金剛寺坂をおりて、いちおう金剛寺門前町の大通りへ出ようとしていた。
一空さまが、風のあいだに、いっていた。
「大名のような暮らしをしたであろうがの、あんたと父御は」
「どういたしまして」お高は、おどろいた声だ。「なぜでございます」
「ふうむ。つかわんまでも、相良どのは、たいそうな金持ちであったはずじゃ」
「いいえ。ちっともお金持ちでなんぞございませんでしたよ。貧乏でございましたよ。古石場の屋敷なぞ、留守がちでございましたから、それはそれは汚れて、荒れほうだいでございましたよ。
わたくしも、父につれられて、あちこち旅をいたしましてねえ、また、父は、そのほうの眼が肥えておりましたので、家には、諸国の珍しい品がたんとございましたが、わたくしが、家を畳みますときに、みんな売り払いましてございますよ」
「するとあんたは、父親が大分限者であったことに、気がつかれなかったというのじゃな」
「妙なお話でございますねえ。父は、大分限者でも何でもございませんでしたよ。大分限者どころか、ずいぶん困りましたこともありましてございますよ」