Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「もし、旦那様。わたくしが払いできずに、磯五が訴えましたならば、わたくしは御牢屋へはいらなければならないのでございましょうか。あの、ほかの方へ、貸金のさいそくを御代筆いたしますごとに、わたくしは、心配やら情けないやらで、死ぬような思いを致しましてございます。
でも、こちら様から督促状がいきますと、たいていの方が、お金を届けて参ります。わたくしは、しじゅう、もしわたくしにそんな日がきたら、どうしようかと思って、夜もおちおち、眠れないようなことがございましたが、とうとう、その時がまいったのでございます――」
若松屋惣七は、急に、お高のほうへ、半身をつき出した。
「どんな男だな。その良人というのは。何か近ごろ、たよりでもあったかな」
「いいえ。家出しましてから、一度のたよりもございませぬ」
「だいぶ、質のよくないやつらしいな」
「あの、酒がはいりますと、まるで別人のようになるのでございます」
「のんべえか。だが、その男も、お前を大切にしたことがあるであろうが――」
「はい。それは、ひところは――でも、べつにわたくしを好きだったのではございません。わたくしのもっていた二千両が目当てだったのでございます」