Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

お高は、自分のからだが、そっちへのめったのを覚えている。何か重い固い物が、あたまの上へのしかかってきたのまでは意識しているが、あとは、天と地が逆になって、周囲が、お高のまわりで急旋回した。それだけの記憶だ。

お高は、水のにおいをかいだ。

誰かが抱きかかえて、誰かが、彼女の口へ水を注いでいるのだ。襟元がひろげられて、水が、乳のあいだを伝わって、濡らした。お高は、眼を上げた。お高は、一空さまによりかかっているのだった。水を飲ましているのは、屋敷の滝蔵だった。

「ありがとうございました。ほんとに、もうようございます」

そういうと、不思議に、ほんとに何ともないような気がして、お高はたち上がろうとした。すこし、足がふらふらした。

ぼろぼろに着物をやぶいて、奮闘の名残をとどめた男がふたり通りかかった。

「おい、この姐さんだよ。お留坊を助けたのは。いまみんな話し合っていたろう?」

お高を指さして、立ちどまった。滝蔵が、お高に肩を貸そうとしていた。

「あぶねえところだったのです。わっちがお迎えに来たときは、もうあの人で、どこにいなさるか、探すこともできねえ始末だ。心配しましたよ。