Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
もっとも、いかに贅沢をしたところで、一代や二代でつぶれる財産ではないのだが、宗庵に教育されたおゆうさんは、寛十郎のようにしたい三昧に金をついやすことは大きらいであった。おゆうさんは、よくわしをたずねて来て、こぼしたものであったよ」
二十年前の記憶がすっかり一空さまをとらえているのだ。お高は、知らなかった父母の生活を、眼のまえにくりひろげられて、知らなかったほうがよかったような気がした。両手で顔をおおって、それでも、全身を耳にして、一空さまの言をとらえようとしていた。
「一度などは、大金というべき額の金をさらって、姿をくらましたことがあった」
「あの、父が、でございますか」
お高は、金を持って逃げたと聞いて、すぐ磯五のことを思い出した。むかし母があったと同じ眼に、じぶんもあったのだ。母娘が、同じ人生をくり返しているのではなかろうか。そういうことがあるものであろうか。お高は、運命の恐怖といったようなものを感じて、身内がしいんとなった。
「さよう」一空さまが、答えていた。「金を持ち逃げして、京阪のほうへまいってな、ほかの女といっしょになっておった。それから、何でも一旗あげるとか申して、江戸へ帰って来たのじゃが――いや、よそう。