Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
笑いの途中で、おせい様の声がした。
「笑うことはございませんよ。何かおっしゃることはないのでございますか」
「何もありません。このお高のいるところでは、なにをいうのもいやなのです。おせい様一人にゆっくりお話ししてえのですよ」
おせい様は、座をはずしてくれというようにお高を見たが、おせい様と磯五と相対ずくになれば、またおせい様が磯五の弁巧にだまされるにきまっているから、お高は、わざと知らぬ顔をして動かなかった。
そのうちにおせい様に問い詰められて、磯五は、曖昧に事実を承認したような、しないような口ぶりをとったので今度は、おせい様のまえで、名ばかりの夫婦のあいだの口論になった。お高は、それをいやだと思ったが、磯五にいい負かされるのはなおいやであった。
磯五のいうのは、夫婦であることはほんとうだけれど、夫婦であって、こうして夫婦でない生活をしているのは、すべてお高が悪いからで、だから、つまり夫婦ではないというようなことだった。この黒を白といいくるめようとするようないい草が、磯五の口から出てくると不思議に道筋立って聞こえて、どうかすると、お高が受け太刀になるようなぐあいであった。