Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
おせい様がわたくしにすっかりお任せなすったのですよ」
「それでわざわざ持って来てくれたのか。すまなかったな。なに、それには及ばねえのだよ。そんなもの、おせい様の気を悪くしてまで、おれから頼んで入れておいた証文なのだから、反古同然なのだ。口をきく証文ではねえのだから――」
「おや、そうですかねえ。でも、見たところ立派な証文でございますよねえ」
「よこせ。破いてしまうのだ」
「いけませんよ」お高は、ちょっと磯五から離れて、証文の束を両手で握りしめた。「おせい様が相手ではありませんよ。わたしが相手なのですよ」
「それはお高、いってえ何のことだ」
「おせい様に代わって、わたしが、あなたにこの証文の片をつけてもらうのですよ。どこへ出しても、誰に見せても、このとおりちゃんとした証文でございますからねえ。はっきりした話ではございませんか。これだけおせい様からお前さまへまわしてあるお金を、わたしに返していただきたいのですよ」
「だが、しかし、それは、おせい様は、きれいに忘れるといったのだぜ」
「おせい様は忘れても、わたしは忘れませんよ。わたしが忘れても、証文は忘れませんよ」
「どうしろというのだ」