Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
お高は、深川の木場の甚と、ほか二、三の人たちに取りまかれて、上気したような顔をみせていた。多勢の視線に困って、どこへすわっていいのかまごついているようすだった。
やがて、木場の甚と伊之吉があいだに立って、お高と与兵衛との話になったのだが、お高が柘植の当主として和泉屋の根を押えていることは既定の事実なので、与兵衛も何もいうことはないのだった。集まっている者たちに何もいうことのないのは、もちろんだった。
「さぞいろいろと苦労なすったことでございましょうが、これであなたも芽が吹き、おっかさんもあの世で安心しておいでなさることでございましょう」与兵衛は、こんなことをいうよりほかなかった。「このごろは日和つづきで、雑司ヶ谷のほうにおいでとか聞きましたが、あちらはまた、江戸とは違って、もっとも、江戸からほんの一足ではございますが、それでも、万事に田舎々々してのんびりしていることでございましょう」
二
はい、と、いいえ、だけで受け答えして、さっきからうつむいていたお高が、急に顔を上げたのだ。
「こちらのお店とわたくしとは、これからどういうことになるのでございましょうか」