Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
磯五の男ぶりは、若松屋惣七も認めざるを得なかったのだ。とともに、さっきお高はいった。良人はそのうちにきっと何かえらいことに成功しそうにしじゅうみんなに信じられていたという、その理由も、ほぼうなずくことができた。
若松屋惣七は、氷のような鋭い頭脳を持っている。すぐにものの両面を感得することができるのだ。こういう才能は、眼がわるくなってから、いっそう発達したようである。ものの両側を看破することの速さ――恵まれているといっていいかもしれないが、自分では、呪われていると思っていた。気がつき過ぎて余計な不幸を招くたちだ。そう思っていた。
彼には、磯五という人間のタイプが、書物を読むようにわかるのだった。御家人や町人などに、よく見かける人物である。女性をあつかうことにかけては、天才といってもいいのだ。ことに女から金をまき上げる、女に金を吐き出させる、そういうこととなると、職業的に巧みなのだ。ことに、坊主あがりだという。よくあるやつ――若松屋惣七は、一瞬のあいだに、すでに磯五を値踏みし、部わけし、早くも応対のしかたをきめていた。こういう人間ならば、こういう人間で、こっちにも、おのずから別な出方がある――。